仁科亜季子さん&仁美さん インタビュー

 


 
「子どものために一日でも早く家に帰ろう、その想いが力になった」

「検診のこと、がんのこと。母とも兄とも友達とも話す。それは日常。」
 
女の子に限らず人類にとって、子宮って大事な部分じゃない

人間にとって。未来に向けて。

だから、大事にしてほしいな、なるべく早い時期に子宮頸がんの知識を身に着けて欲しいなって思って、自分で出来る範囲からいろんな活動をさせていただいているんです。
 
 
○母の強さ、病気と向き合う-
亜季子:「私の場合は発見の仕方がラッキーで、食中毒になったときに内科の先生に『更年期障害が始まったのかな?たまに不正出血があるのよ』っていう雑談をしたら『じゃあ検診してみる?』っていうことで見つかったのね。
 
検査結果を聞くとき、病院の先生がまず『ご家族は?』なんて聞くし、顔見知りだった看護士さんはカーテンの陰で鼻をすすっているし、『あ、まずいシチュエーション?参ったな』なんて思いつつ、でも私は負けん気が強いから『大丈夫です、1人で聞けますからおっしゃってください』って言ったの。長い前置きのあとにようやく告知を受けたんだけど『あ、そうですか!』って言って、たったった、ってそのときは潔く帰ったの。だけど駐車場で運転席に座った途端に、なんかねぇ、こう、化石みたいに動けなくなっちゃったの。悲しいでも悔しいでもなくて、なんだかわかんないけど涙が出てきて仕方なくて。周りが薄暗くなるまで・・・2時間くらい居たのかしら。でも、涙と一緒にこう、出るものが出ちゃったみたいなところがあって。『あ、このままじゃ子どもたちの前に帰れないぞ』って、そこから切り替えたわ。」
 
 

 
 
亜季子「自分の体って過信するじゃないですか。それまでは本当に元気だったし、出産以外は入院したことすらなかったですし。検診の通知が来ても母親、主婦っていうのは家族のことが第一で“自分のことはまぁいいか来月でも、って先延ばしにしていて、そのツケが38歳のときに来てしまったんです。
 
がんが見つかったときはこの子(仁美さん)がまだ6歳だったので、かなりパニックになって、ただ上半身の意識がきちっとしていればいいや、下半身がどうなってもいいからこの子が16歳になるまではなんとか頑張って生きなきゃって思って闘病生活を送りました。
 
術後、まだ抜糸が済まないうちから更年期障害みたいな症状が出て、辛いこともあったんですが、とにかく1日でも早く治さなきゃ、子どもがいるから。そう、ずっと思っていたんですよね。だからやっぱり、めそめそしていると病気のほうが勝っちゃいそうな気がするし、とにかく、なんとか闘わなきゃいけないし、なんとか退治しなきゃいけないし、っていう原動力はやっぱり、子どもだったかもしれないですね。」
 
 

 
 
○まず、子宮頸がんを話題にしてみる-
仁美:「私も中2の頃、母に婦人科に無理矢理連れてかれて、卵巣のう腫が見つかったんです。お母さんが連れて行ってくれなかったら見つからなかったかもしれないし、ありがたいなって思います。その後も母は、10代の頃は定期的に婦人科へ行きなさい行きなさいって、もううるさくて。でも20歳を越えてからは自分もいつか結婚するだろうなぁって結婚観もでてくるし、自分で年に1回は行くようにしていますね。

あたしは、母とも兄ともこういう風に物心ついたときから面と向かってちゃんと話ができているから、それが私にとって当たり前のことなんです。それは友達に話すときも同じで、私が子宮頸がんの話をすると『その検診って痛いの?』とか、すごくシンプルな質問も聞かれるんですけど『痛くないよ、行ったほうがいいよ。』って一押しすると、その子も行きますね。私が一人でも友達に言えば、その友達も誰かに言って、関心を持つ人が増えていくじゃないですか。だから、友達には言うようにしています。」
 
亜季子:「大学生くらいなら親兄弟じゃなく友達に声をかけるだけで違ってくると思う。回数を重ねるたびに恥ずかしさがなくなっていくんじゃないかな。その次の段階で家族や親戚に伝えるのもいいのかもね。子どもから『こんな話聞いてきたよ』って家族に発信していくって素敵じゃない?お姉ちゃん、お母さん検診行ってる?っていうような話題にすり替えてみるのもいいと思うわ。

日本人は危機管理が弱いんじゃないかな。子宮頸がんはせっかく予防できるんだし、クーポンまでいただいているし、それを無駄にするのはとても勿体無いと思います。
男の子にだってウィルスを持っているんだよという部分をキーワードにすれば話しやすいんじゃないかしら。女の子の病気だよね。でも単に女の子が遊んでいたからなる病気じゃなくて、愛し合った二人がセックスをしたその結果でもあるわけだから、逆にウィルスが発見されたことでパートナーと話し合うきっかけになればいいんじゃないかと思うのね。男の子がこうやって勉強して下さることで(インタビュアーの半数が男子であった)、かなり視野は広がったと思うし、偏見という壁を少しでも取り除いてほしいと思います。」
 
 

 
 
亜季子:「子宮頸がんへの理解をもっと一般的なものにしていくには、とにかく話題にしていくこと。若いみなさんにはブログやネット、いろんな媒体を使って伝えてもらいたい。一番時間を共有している友達と雑談の中でもお話できれば第一歩ですね!」